2013年11月27日水曜日

[Day 211] With A Little Help From My Friends


屋上の防水加工、塗料自体は夏前には取り寄せていた。暑い夏に塗りをやるのは過酷と、何かしら言い訳をつけて伸ばし伸ばしに。丁度、本格的に三期工事の職人さんが入る前のブランクを生かして、思い腰をあげて塗りをする事に決めた。

当日、またもや多くの友人が駆けつけてくれた。皆、久々の三角ビル。変化に驚いて喜んでくれた。電気がつく、トイレがある、水が出ると感動してくれるポイントが普通とズレている気がするけど、それだけサバイバルな状況が長かったんだと思う。





雨が降り苔が生え、それが日差しに当たりカラカラに乾涸びた物が立ち上がりに幾つかあったため、ワイヤーブラシで擦って剝がす。この時点で天候がイマイチ良くなく、今にも雨が降り出しそうだった。下地材のシーラーを塗り乾かす意味を含めて、お昼休みを取っている間に小雨模様になっていた。







結局、雨が本降りになってしまったためこの日で屋上の防水は終わらず。最後の方は雨に塗れながら、塗りやすくなった防水塗料を一度塗りだけまで強引にやりきった。

その後、打ち上げでは、サプライズ的に自分の誕生日を祝って頂いた。自分の場で誕生日を迎えられるのは嬉しい。未完成なのは抱負として非常に語りやすい。来年こそ完成された形で、っと友人達と呑む。






翌日、筋肉痛の中、屋上に上がってみると想像以上に塗料が雨で流されていて、まだらになっていた。その後、天候にも恵まれ、二日かけて塗りを続けて完成させる。気がつけば、陽がとても短くなっていた。屋上にいると高層ビルに日光が遮られ、陽の短さをより実感する。







いつもありがとう。段々、塗りのエキスパート集団になってきた。
また良ければ、お手伝いをお願いします。
多分、また塗りのお願いになると思うんだけど…










2013年11月19日火曜日

[Day 203] The Third Man


上層階に入居する人に関わる為、二期工事の終わりがけに階段加工だけはクロスフェードするように先に始まっていた。この期間は二期と三期の職人さんが昼夜で入れ替わる二部制。




リノベーション以前に三角ビルの階段に敷かれていた赤いカーペット。この階段が凄く場末の飲み屋感を出していて、スケルトン解体にする際に真っ先に剝がしてもらった。しかし、微妙にカーペットの残りカスと接着剤の跡がこびり付いて残ってしまっていた。結局、上層階はカーペットの残りかすを削り落とし塗りを、一階から二階までは上から板張りする事に。




丁寧にスクレーパーで赤いカスを取る作業。この削り落としだけでも大変なのに、さらに大変だったのは板張り。気軽に「板張りでいきましょう!」となったはいいけど、三角ビルの小さく狭い螺旋階段、段により高さと幅が違い、一段として同じ作りがなく職人さん泣かせな階段。






笑いながら職人さんは「舐めてました」と言いながら、きっちり納期を間に合わせる。最後はチョコレート色の保護塗料塗り完成。丁寧な仕事、ありがとうございます。








三期工事、改めてよろしくお願いします。







2013年11月7日木曜日

[Day 191] いつでも夢を


久しぶりでどんな文体で今まで書き残していたのか忘れてしまっていた。

増税による建築業界の駆け込み需要で職人さん不足、毎週のようにやってきた台風など、その他、全て書き切れないほどのトラブルがあったが、なんとか次のステップに踏み出し始めている。二期工事が終わった。やっと終わった。結局、工程表の予定の倍の日数がかかってしまった。現在は三期工事、この建物の中核となる店舗工事に入っている。

エアコンなどの様々なダクトスペースを配管するために、一部分だけ足場が組まれた。今、改めて足場の写真の日付を見返すと10月の頭。わずか一ヶ月前。ここからの変化が早かった。






"道路に面さないオープンカフェ"と笑いながら言い合っていた壁も埋まった。見えていた景色は隣家の石垣だけだったはずなのに、壁で塞がれた時、少し息苦しさを感じた。






このビフォアとアフターの間にいる時間が長かったのが、今回のリノベーションの贅沢な悩みだと思う。アフターの結果をより良い物にしようと、現場で色んな方と話し合う。この時間が一番楽しい。そして、引き換えに工期が伸びる。でも、それでいい。






高所作業車によって、足場では手が届かない箇所の作業も行われた。高所作業車を予約する度に台風が接近して延期というパターンが二回も続いた。働く車の活躍により、枯れてしまったツタの残骸を綺麗に取ってもらった。のっぺらぼうの面がまた増えたけど、また覆う楽しみも出来た、と今は考えている。



壁が新しく出来たと思ったら、また別の壁が抜かれてなくなる。これは新しいアプローチのため。契約から半年経って、この物件が建った当初の姿に一度戻るとは思ってもいなかった。




本来の形に一度戻してあげて、ここから再生をする。本当にハコに戻ったんだ。最高のおもちゃ箱だと思う。ここからが楽しみで仕方ない。